2013日本玩具博物館・春の企画展<春を祝うイースターエッグ展>① ~イースターエッグ~

2013日本玩具博物館・企画展
<春を祝うイースターエッグ展> 
~イースターラビット、鶏たちとともに~
2013/2/23(土)~5/21(火)

1号館でイースターエッグ、イースターラビット、鶏、復活祭を彩る玩具のいろいろのテーマで350点を展示。
http://www.japan-toy-museum.org/rabbit_chicken_easter-egg.html

画像

◆イースター(復活祭)
「イースター」=復活祭とはキリスト教で最も重要とされる祝日で、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが三日後に復活したことを祝う。

復活祭は基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に行われるため、年によって日が変わる。また、東方教会と西方教会では元になる暦が違うため日は変わり、2012年のように同じ日になる年もあるい。2013年の西方教会のイースターは3月31日だったが、東方教会では5月5日。

フランスやベルギー等、ヨーロッパのお菓子屋さんでは、復活祭が近づくとウサギや卵形などイースターチョコレートが売り出されるが、東欧の各地域では古くから卵の殻にローケツ染などを施した伝統模様の美しいイースターエッグが作られている。

◆ローケツ染の卵との出会い
10数年前に日本玩具博物館をお訪ねしたとき、学芸員の尾崎織女さんが引出しから70年位前に作られたチェコのイースターエッグを手の平にのせて見せて下さったことがある。木製の卵にペイントしたイースターエッグしか知らなかった私はロウケツ染を施した卵の殻を初めて目にして、東欧の素晴らしい伝統文化の存在に驚くとともに、その繊細な美しさにすっかり虜になってしまった。

博物館で、こうしたイースターエッグの企画展が開催されるのは日本初だと思う。
つぎの写真は展示中の1930年代のチェコのイースターエッグ。10数年前に見せていただいた卵がこの中にある。
画像


<イースターエッグ(復活祭の卵)>
~春を祝うオーナメント~
「イースター」はヨーロッパやアメリカなどキリスト教を信仰する国々で広く行われているが、伝統的な手法で「イースターエッグ」が作られている国は東欧に集中している。この地域のスラブ系民族の間では古くから「春の祭り」として生命の源である卵を彩色し模様をつけてプレゼントしたり飾る習慣があり、キリスト教の時代になっても伝統が受け継がれてきた。

今回の展示では東欧各地で作られた「イースターエッグ」が展示されている。
画像
画像

◆イースターエッグがつくられている国々
画像

◆「ルーマニア」ブコビナのイースターエッグ 
●ブコビナの「エンボス」と「バティック」
“エンボス”とは色を付けた蜜蝋で模様を描いたもので、模様部分が盛り上がっている。
写真のエンボスとバティックは4代つづくジニッチ家の作品。
 
 ★左のグループはブルーの濃淡で描かれたエンボスで、卵が陶器のように見える。
 ★中央は赤・黒・緑・黄のカラフルな色遣いのエンボス。
 ★右の“バティック”は赤・黒・黄ロウケツ染め
画像
画像
画像
画像

●ブコビナのビーズ細工(写真:左)
ブコビナの修道院でつくられたキリストやマリアの聖画をビーズで飾ったイースターエッグ。
★ジニッチさんの刺繍柄のエンボス(写真:右の2点)
画像


◆「チェコ」のイースターエッグ
★ボヘミアのドリル

歯科用のドリルで穴をあけて模様をつくったイースターエッグ。レース模様のように透いて見えて美しいが割れ易い。
画像

★エンボスとペインティング
左端の“エンボス”はチェスキーテンシ地方のシャルカ・コルチコヴァ作
他のブルーの“ペインティング”はボヘミア地方のもの。
画像

◆「スロバキア」
★ワイヤーのイースターエッグ
画像

◆「ドイツ」のイースターエッグ
 ペインティング・
画像
画像
画像


画像

◆「ドイツ」ソルブ族のイースターエッグ
ドイツ・ソルブ族はチェコ・ポーランドと国境を接するドイツ東部に住むスラブ系少数民族。伝統のイースターエッグには「ガチョウ」の羽の先をカットして蜜蝋を付けてスタンプ状に模様をつけたローケツ染やエンボスがある。
また、エッチングには民族衣装のモチーフが使われている。

★ソルブ族・ガチョウの卵のエッチング
画像

★ドイツ:ソルブ族
左端の藍色の卵は民俗衣装の図柄をモチーフにしたエッチング。
右側は、ガチョウの羽先で模様を付けたローケツ染。
画像

◆「ポーランド」のイースターエッグ
ポーランドのイースターエッグはエンボスやエッチング・カッティングの他、切絵・イグサ・タッチングレースなど地域の工芸を取り入れた独特のものがつくられている。
 
また、シロンスク地方・カトヴィリエに住むジェック・ヤェンチメックさんの「ゆで卵」にエッチングを施したイースターエッグもある。年月が経つと「ゆで卵」の中身は乾燥するので振るとカラカラと音がする

★左端:エンボスの卵
★中央:ポニャトヴァ地方のガチョウの卵(カッティング)
    ホグスヴァ・ゴレン作 9cm


★右端:オボーレ地方のエッチング
画像
画像

★ウォヴィッツ地方の「切絵」
ウォヴィッツは切り絵が盛んで有名なところ。今回の展示でも鶏のコーナーで展示されているが、羊の毛を刈る大きな「握り鋏」でカットされる。
画像
画像

★クルビエ地方のイグサ
日本でお馴染みの畳表に使われる「イグサ」の皮をしごきながら剥いで中の芯を乾燥させる。そのスポンジ状の芯とカラフルな毛糸を使って卵を装飾。
画像

★ヤロチン地方のタッチングレース
タッチングレースが盛んなヤロチン地方ではカラフルに染められた卵をレースで装飾。
画像

◆「ウクライナ」のイースターエッグ
キリスト教以前から春の祭りに飾られていたウクライナのローケツ染の卵は「ピサンカ」(ピサンキ)と呼ばれて100種以上のパターンがあるが、繊細で美しく高度な技術に「驚かされる。

伝統のモチーフには太陽・星・鳥・花・小麦・魚など幸せのシンボルが使われる。
画像

★フツル地方のピサンキ
画像
画像

★フツルのピサンキ「トリピリア」
紀元前6~3世紀に栄えたトリピリア文明の蛇や波などの模様。
画像

★左側:ガチョウの卵のアシェットエッチング
蜜蝋で模様を描いた卵を酸性の液に浸けると化学反応により蜜蝋以外の部分が削りとられ、レリーフのように見える。昔は酢キャベツの酢を使ったそうだ。

★右側:ガチョウの卵(ローケツ染+アシットエッチング)
オレクサンダー・オパリー氏の作品。50mm×79mm
一度、ロウケツ染された卵をアシェットエッチングで淡い色に加工。
画像

★中央:エミユーの卵(アシェットエッチング+カッティング)
オクサナ・ビロウス作 82mm×132mm
ダチョウによく似たエミユーの卵は濃いエメラルドグリーン。鳥の絵柄の濃い色が元の卵の色で、淡い色はアシェットエッチングで脱色された色。
画像

★左:ペトリキフカ村のガチョウの卵
この村では花鳥の絵をハンドペイントで描いたイースターエッグがつくられている。
画像
画像

★左:ウクライナのガチョウの卵 
オレグ・キュラスチェック氏のローケツ染

模様の繊細さと華やかな色彩はまさに芸術品。
★右:ウクライナの茶卵  
アシェットエッチング+ローケツ染の二つの手法で作られている。
画像

★写真の左:ウクライナのウズラの卵
ローケツ染は溶かした蜜蝋を入れたキストカで模様を描くが、小さなウズラの卵に描かれた技術に驚かされる。
画像

◆リトアニア・ヴィニュス地方のイースターエッグ 
★エッチング
玉ねぎなどで先染めした卵をカッターナイフなどで削って模様を付けたもの。
画像

★糸細工
卵に糸を巻きつけてベースを作り、針で糸をすくいながら模様をつくる日本の手毬と同じ手法で作られている。
画像

◆ローケツ染め用道具
卵の中身を出す道具「エッグブローワー」や蜜蝋とミツロウを入れて模様を描く道具「キストカ」等を展示。
画像

イースターエッグだけでも写真が多く、イースターラビットと鶏たちの展示は、別に紹介。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

驚いた 驚いた
かわいい かわいい

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック